枕が上手くなりたい!
枕といっても、枕営業ではないです。
落語の枕の事です。
wikiによると…
本筋に入る前に演目に関わりのある小話が語られ、これを「枕」という。
これの果たす役割は、小話で笑わせて、
本題の前に聴衆をリラックスさせる、
本題に関連する話題で聴衆の意識を物語の現場に引きつける、
落ちへの伏線を張る、などが挙げられる。
古典落語の演題の中には、現在では廃れてしまった風習、
言葉を扱うものがあり、それらに関する予備知識がないと、
話全体や落ちが充分に楽しめないことがあり、
枕がこの目的にあてられることも多い。
大人の会話は、関連性・理由・予備知識といった背景がないと
理解が進まない。なんて事が多々あります。
30歳を越えちゃうと、絵本を待つ子供のように
ドキドキ相手の話す事を心待ちにしているなんてできません。
挨拶やお礼といった「脊髄反射で対応できる言葉」だけで世の中は成り立ってない。
だから、大切な話の時は相手のスイッチを入れないといけない。
相手に、
なんか大事そうな事を言われるっぽいなー。
んー、それじゃあ聴きますか!
という準備段階にしてあげないといけない訳です。
能楽師の安田登さんが内田樹さんが演目の前に行った「羽衣の解説」が凄い件。
<いちおう、ストーリー>
伯龍という漁師が羽衣発見!
持って帰って家宝にしよう!!とする。
↓
天女登場。返還要求。
↓
押し問答(伯龍、なんだコイツ!?的な横暴さ)
↓
最後に気の毒になって伯龍は天女に羽衣を返してあげる
↓
天女踊る。消えていく。
漁師の名前は「伯龍」で「伯」は「トレーナー」とか「コントローラー」のことだから、「ドラゴンマスター」ということになる。とか。
で、「龍」は水を表していて治水、土木工学系の家系のことを指しているんじゃないかという話になったそうです。
天女は、「人間外」の力を表わとう事で「自然を象徴している」となり、
羽衣は“人間 VS 自然”を象徴しているのだろう!なんて語られたら、おぉ!?となりますよね。
ここから現代に置き換えた話になったり、原発の話があったり色々な展開を経て能がスタート。
古典を解説して、さらに現代に置き換えた見解を加えるところなんか、
まさに枕ですよね。
知的な話に好奇心を掻き立てられて、さぞ楽しく見る事ができたでしょう。
こんな事ができるようになりたいのです。